妊娠前、妊娠中の食生活 指針を解説
厚生労働省が「妊産婦の為の食生活指針」を15年ぶりに更新しました。内容を解説します。
投稿日: 2021年05月24日
厚生労働省からの発表
新しくなった「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを~」の詳細についてはページ下部の参考リンクより、厚生労働省のホームページで確認できますので、ぜひご覧になってください。
本記事では、押さえておきたいポイントに絞ってまとめています。
バランスのとれた食事を摂りましょう
偏りのない食生活、十分な摂取カロリーが赤ちゃんの健やかな発育につながります。ビタミン、ミネラルを取り入れ、 妊娠中は平均 300kcal ほど多く食事を摂りましょう。
エネルギーを"主食"からしっかりと
妊娠に伴い、食事によって体重を増やしていくことが必要になります。BMI ごとに推奨される体重増加が異なっています。表にまとめました。
※BMI 指数 = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
BMI | 推奨体重増加量 |
---|---|
18.5 未満 | 9 ~ 12kg |
18.5 以上~ 25.0 未満 | 7 ~ 12kg |
25.0 以上 | 個別に対応 |
BMI | 中期からの推奨体重増加量 |
---|---|
18.5 未満 | 0.3 ~ 0.5kg/週 |
18.5 以上~ 25.0 未満 | 0.3 ~ 0.5kg/週 |
25.0 以上 | 個別に対応 |
- 太りすぎも痩せすぎもリスク
- 急激な体重変化はよくない 少しずつ増えていくのが理想
足りないビタミンとミネラルを"副菜"から補う
食物繊維が多く含まれている野菜にはブロッコリー、ほうれん草、豆などがあります。 どうしても日常で取り入れることが難しい場合は栄養補助食品を利用します。葉酸、鉄、ビタミン D、カルシウムなどは不足しがちです。
葉酸は特に注意が必要な栄養素です。ポイントをまとめておきます。
- 葉酸が赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防に有効です
- 神経管閉鎖障害は、赤ちゃんの神経管ができる時(受胎から大体 28 日)に起こる先天性の異常
- 妊娠を予定している女性は緑黄色野菜の摂取、サプリメントの活用で葉酸不足にならないように
たんぱく質は"主菜"の組み合わせから
以下にたんぱく質を多く含む食品の例を載せておきます。
- 魚、豚肉、牛肉、鶏肉、卵
- 大豆食品、納豆
- プロテイン
魚類を中心にいくつか注意点やポイントがあるので以下にまとめます。
- サバ、マグロなどの捕食性の魚は水銀を多く含んでいる可能性があるため、食べ過ぎに注意
- ツナ缶は水銀のリスクが低く、 DHA、EPA、ビタミン、たんぱく質などが手軽に摂れるのでオススメ
- 低温殺菌されていない乳製品、生の肉や魚は寄生虫や細菌が含まれているリスクがあるため、避けましょう
- 肝油、レバーには、摂取しすぎると赤ちゃんに先天異常が起きやすくなるビタミン A が含まれているので注意
カルシウムを豆類、乳製品、緑黄色野菜から十分に
日本人はカルシウム不足気味であると言われています。積極的に摂取することを意識しましょう。また、妊娠中だけでなく、産後の授乳期間中もカルシウムは必要になります。
以下にカルシウムを多く含む食品の例を載せておきます。
- 牛乳、乳製品
- モロヘイヤ、小松菜
- 干しエビ、小魚
- 海藻類、ひじき
適度な運動、禁煙、禁酒
食事以外にも気を付けるべきポイントを以下にまとめます。
- ウォーキング、妊娠水泳など、無理のない軽い運動を
- 妊娠している間の喫煙(受動喫煙を含む)は避けましょう
- 飲酒もできる限り控えましょう
- 周りの人にも協力を求めていきましょう